フォルクスワーゲン(Volkswagen、以下VW)は、性能だけでなくデザインの美しさでも高い評価を受けているブランドです。
ボディラインやカラーリングにこだわりを持つVW車にとって、「塗装(ペイント)」は単なる見た目以上に、車を守るための大切な役割を担っています。
しかし、どんなに高品質な塗装でも、紫外線、酸性雨、飛び石、経年劣化などによってダメージを受け、トラブルが起こることは避けられません。
放置してしまうと見た目が悪くなるだけでなく、サビや腐食を招き、車の寿命にまで悪影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、VW車における塗装の不調によくある症状、原因、放置した場合のリスク、修理費用の目安、さらに日常的にできる予防策についてわかりやすく解説します。
車の塗装の役割とは?
車の塗装は、単にボディを美しく見せるだけではありません。大きな役割は次の3つです。
VW車では、耐久性の高い塗料やクリアコートが使われており、ボディをしっかり守る設計になっていますが、適切なケアを怠ると劣化が進行しやすくなります。
塗装不調によくある症状
塗装に不調が出てくると、次のような症状が現れることが多いです。
色あせ(退色)
紫外線や熱によって塗料が劣化し、ボディカラーがくすんだり、鮮やかさが失われたりします。特に赤や青などの原色系カラーで目立ちやすいです。
クリア層の剥がれ(クリア剥離)
塗装の最表面にあるクリア層が劣化すると、ボディ表面が白っぽくなったり、ペリペリとめくれてくる現象が起きます。
塗装のヒビ割れ(クラック)
経年劣化や強い日差しを受け続けることで、塗装面に細かいひび割れができることがあります。
サビの発生
塗装に傷がついてそこから水分が侵入すると、鉄板がサビてしまいます。特に塩害地域や冬季の融雪剤による影響で進行が早まります。
飛び石傷・小キズ
高速走行時に小石などが当たり、塗装が欠けることがあります。そのまま放置すると、そこからサビが進行する危険性があります。
塗装不調の主な原因
VW車の塗装に不調が起こる原因はさまざまですが、代表的なものは次のとおりです。
紫外線による劣化
直射日光に長時間さらされると、塗料の成分が分解されて色あせやクリア剥がれの原因になります。特に屋外駐車が多い車両で進行しやすいです。
酸性雨や黄砂
雨や大気中の汚れが塗装面に付着すると、化学反応を起こして表面が劣化することがあります。
鳥のフンや樹液
鳥のフンや樹液は強い酸性や粘着性を持っているため、短時間で塗装面を傷める原因になります。
洗車・メンテナンス不足
汚れを放置したり、不適切な洗車方法(たとえば硬いスポンジの使用)をすると、塗装面に細かいキズをつけてしまい、劣化を早めます。
飛び石や擦り傷
走行中に飛んできた小石や、擦れた際のダメージも、塗装剥がれやサビの元になります。
不調を放置するとどうなるか?

塗装の不調を放置していると、次のようなリスクが高まります。
小さなキズや劣化であれば簡単な補修で済みますが、放置すると板金作業が必要になることもあり、費用が一気に跳ね上がるため注意が必要です。
修理・再塗装費用の目安
VW車の塗装不調に対する補修や再塗装にかかる費用目安は次のとおりです。
修理・整備内容 | 費用目安(税込) | 補足 |
---|---|---|
タッチアップ補修(小キズ) | 約5,000〜15,000円 | 部分的な簡易補修 |
部分塗装修理(ドア・バンパー1枚) | 約30,000〜60,000円 | 色合わせが必要 |
ボンネット再塗装 | 約50,000〜100,000円 | 紫外線ダメージが多い部分 |
ルーフ再塗装 | 約70,000〜120,000円 | 屋外駐車車両に多い劣化箇所 |
全塗装(オールペイント) | 約300,000〜600,000円 | 色替えも可、かなり高額 |
部品単位の塗装なら比較的リーズナブルですが、ルーフやボンネットなど広い範囲になると費用も高くなります。全塗装は仕上がり重視ならさらに費用がかかる場合もあります。
日常的にできる点検・予防方法
塗装の劣化を防ぐためには、普段のケアがとても大切です。
定期的に洗車をする
汚れをため込まず、こまめに洗車することで塗装表面を保護できます。特に雨上がりや花粉の多い季節は意識的に洗車しましょう。
ワックスやコーティングを施す
ボディ表面に保護膜を作ることで、紫外線や汚れから塗装を守ることができます。最低でも半年に一度は施工すると効果的です。
屋根付き駐車場やカーカバーを利用する
直射日光や酸性雨を防ぐために、屋根のある駐車場を利用するか、カーカバーをかけるだけでも塗装の劣化スピードを遅らせることができます。
鳥のフンや樹液はすぐに除去する
付着したまま放置すると短時間で塗装面を傷めるので、見つけたらすぐに水で洗い流しましょう。
メンテナンスで車の寿命を延ばし、維持費も節約
VW車の美しいデザインとボディカラーは、単なる見た目以上に愛車への愛着や満足感を高めてくれます。その美しさを長く保つためには、日頃の小さなケアと異変に気づく意識が欠かせません。
小さなキズや色あせを放置せず、早めに補修することで、車の寿命を延ばし、維持費も節約できます。
これからもVWライフをもっと楽しむために、ぜひ塗装にも気を配ってみてください。あなたの愛車は、その優しい心配りにきっと応えてくれるでしょう。
Volkswagenの修理・メンテナンスを普通の車屋さんが受けてくれない理由は?
専用の診断機が必要だから

Volkswagenなどの輸入車は、OBD(車載診断機)につないでコンピューターの状態をチェックするんですが、これが専用の診断機(VCDSやODISなど)じゃないとしっかり見られないんです。
国産車用の汎用診断機では対応できない項目も多く、「とりあえずチェックランプ消す」くらいはできても、根本的なトラブルの原因追及が難しい…。
➡ 普通の車屋さんでは診断機の導入コストが高い(数十万~百万円超え!)ので、VWを扱っていないお店も多いです。
特殊な整備ノウハウが必要だから

Volkswagenは設計が国産車とちょっと違います。
- エンジンの配置や補器類の取り回し
- DSG(デュアルクラッチトランスミッション)
- 欧州車特有の足回り設計
これらが、国産車の整備感覚と違う部分が多いんですよね。
たとえば、VW特有のDSGミッションのオイル交換とかは、専用の知識と技術がないと逆に壊してしまうリスクも…。
➡ 慣れてない車屋さんだと、手を出すのが怖いというのが正直なところ。
パーツ供給ルートが限られるから

国産車はディーラー系や部品商が豊富にありますが、VWなどの輸入車はパーツ供給ルートが限られることも。
- 純正部品はディーラー経由じゃないと手に入りにくい
- 社外部品も、VW専用パーツの取り扱いがある業者でないと難しい
➡ 普通の車屋さんでは部品が取り寄せできない・納期が読めないことが多いんです。
トラブルが起きやすい箇所が独特

VWは例えば…
こういった欧州車特有のウィークポイントがあります。
これは、国産車専門の工場だと「そもそも経験が少なくてわからない」というパターン。
➡ 慣れているVW専門店なら「この型式だとそろそろこの部品が怪しいな」という予測ができるけど、普通の車屋さんだとそこが難しい。
VWは専門店が安心

画像引用元:VW・Audi専門店ナイルプラス
VWオーナーさんはVolkswagen専門店や輸入車に強いショップを選ぶのが安心。
整備士さんもVWに慣れているので、トラブルの早期発見や的確な修理が期待できますよ!
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