今回は、Volkswagen車の足回りから発生する「ゴーゴー」や「ゴロゴロ」音についての修理方法を紹介します。この音は、特にVWゴルフや1Tトゥーランでよく見られる故障の一つです。
試運転で異音の確認
まず、試運転を行い異音を確認します。40km/h程度の速度でも「ゴーゴー」音が大きく聞こえ、高速道路ではさらに大きな音がします。
リフトアップして異音の原因を特定
次に車両をリフトアップして、音の原因を確認します。異音がする側の足回りをチェックし、異音の出どころを特定します。整備士がよく使う方法として、ドライバーの先端を異音がする場所に当てて、その柄の部分に耳を当てて音を聞きます。これにより、異音の原因を特定しますが、安全確認をしっかり行ってから行う必要があります。
VWトゥーランの異音修理作業
- キャリパーの取り外し:
- まず、キャリパーを外します。
- ナックルの取り外し:
- 次に、ナックルを外し、ハブベアリングを確認します。ゴリゴリ音がする場合、ハブベアリングが原因である可能性が高いです。
- ハブベアリングの交換:
- 異音の原因はハブベアリングの劣化でした。ベアリングをナックルから分離し、新しいベアリングに交換します。ABSセンサーも一緒に掃除し、取り付け直します。
ハブベアリング交換の詳細手順
- ハブベアリングの分離:
- ゴリゴリ音がするハブベアリングをナックルから分離し、新しいベアリングを取り付けます。ナックルに残った古いベアリングの痕跡をきれいに掃除します。
- 新しいボルトの使用:
- ボルトは必ず新品を使用します。古いボルトは伸びてしまうため、トルクレンチで規定トルクに締め付けます。トルク値を確認し、適切なトルクで締め付けます。
- ABSセンサーの掃除:
- ABSセンサーもきれいに掃除し、誤反応を防ぎます。
- 再組み立て:
- 新しいハブベアリングとナックルを再組み立てし、規定トルクでボルトを締めます。
試運転と確認
修理後、再度試運転を行い異音が解消されたか確認します。今回のケースでは、異音が完全に消えました。
整備士のやりがい
異音の原因を特定し修理するのは難しいですが、適切に修理が完了したときは非常にやりがいを感じます。特にVW車は構成部品が多く、異音の原因が多岐にわたるため、慎重に診断と修理を行う必要があります。
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