中古のフォルクスワーゲン Golf Touran(以下トゥーラン)は、背が低めで走りのいい欧州ミニバンとして「ファミリーカーだけどドライブも楽しみたい」という大人の男性に根強い人気があります。
しかし中古車は購入時の価格がこなれている反面、5年間の維持費まで視野に入れないと「思ったよりコストがかさむ…」という残念パターンになりがち。
そこで今回は2018年式1.4 TSI Comfortlineを200万円で購入して年間1万 km走るというモデルケースを設定し、実際に5年間乗った場合の総額をシミュレーションしました。
数字は2025年4月現在の全国平均を参考にしつつ、専門店の実勢データも織り交ぜています。
記事を読み終わるころには、トゥーランの維持費構造と“買う前に押さえるべきポイント”がまるっと把握できるはずです。
モデルケースの前提
まずは“計算の土台”となる前提条件を共有しておきます。変数が多いと結果がブレるので、あえてシンプルにまとめました。
購入時にかかる費用
車両価格と諸費用
輸入車は初期値落ちが大きいので、トゥーランも3年落ちで新車価格の半額前後が狙いどころ。
今回は車両180 万円+諸費用20 万円で計200 万円としました。
延長保証(約10 万円/2年)は任意ですが、ターボ&DSGの安心料と割り切って加入するユーザーも多いです。
減価償却という名の“隠れコスト”
「いくらで買って、いくらで手放すか」は見落とされがちですが、実は維持費の中で最も金額が大きい項目。
今回のシミュレーションでは200 万円で購入→70 万円で売却=実質負担130 万円となります。
年平均に直すと26 万円、月割りで約2.1 万円。リセールを意識すれば、この金額はさらに圧縮可能です。
毎年かかる固定費
自動車税
排気量1.4 Lの自動車税は年間34,500 円。
トゥーランは見た目ミニバンでもエンジンは小排気量ターボのおかげで税負担が軽く、同クラス国産2.0 Lミニバン(39,500 円)より5,000 円近く安く済みます。
車検(2年ごと)
法定費用(重量税+自賠責+印紙)で約5 万円、整備基本料と交換部品で約7 万円を見込むと合計12 万円/回。
専門店はVW専用診断機器と純正ケミカルを備えているため、故障予防という意味でもディーラーと同等以上の安心感があります。
駐車場代
都市部マンション住まいの場合、月極駐車場が1万5千〜3 万円かかるケースも少なくありません。
静岡県の郊外で月1 万円、名古屋市中心部で月2万5千円といったイメージです。
本稿のシミュレーションでは自宅敷地内保管で0円としましたが、都市部ユーザーは5年間で60〜180 万円が上乗せになる点をお忘れなく。
任意保険
料率クラスは対人6・対物6・車両8とやや高めですが、通販型+20等級なら車両保険込みで7 万円前後が現実的。
新しめの輸入車は部品単価が高いので、車両保険を外すと逆に高リスクです。
走った分だけ増える変動費
燃料費
資源エネルギー庁の統計によると、ここ3年間のレギュラーガソリン全国平均は160〜190円/Lで推移しており、政府補助金の段階的縮小でじわじわ上昇中です。
2025年5月には暫定税率の10円引き下げが予定されているものの、世界情勢によっては再び180円台に戻る可能性も指摘されています。
価格が10円/L動くと年間7,000円以上が変動するので、家計には意外とインパクト大です。
年間1万 km÷実燃費14 km/L=714 L。
これに186 円/Lを掛けると年間約13万3千円、5年間では約66万5千円。
定期メンテナンス
これらを平均すると年間5 万円。部品をOEMで用意すれば3 万円台も可能ですが、DSGオイル交換だけは純正指定が鉄則です。
突発修理
代表例としては
を想定し、年間平均3 万円をプール。実際には「0円で済む年もあれば20 万円飛ぶ年もある」ので、家計簿上は月2,500 円の積立感覚で備えておくと安心です。
タイヤ・バッテリーなど
輸入車用のアイドリングストップ対応AGMバッテリーは「工賃込みで4〜5 万円」が相場。
5年で交換すると仮定すると年平均8,000〜10,000 円の上乗せになります。
17インチタイヤ1セットで約8 万円。今回はタイヤだけをコストに計上しています。
5年間総額の内訳

- 減価償却…130 万円
- 自動車税…17万2,500 円
- 車検…24 万円
- 任意保険…35 万円
- 燃料…66万5,000 円
- メンテナンス…25 万円
- 突発修理積立…15 万円
- タイヤ…8 万円
合計:316万7,500 円
大型ミニバンに比べ背が低い分、重心が安定して走りはゴルフ譲り。それでいて7人乗り。**年間コスト約63 万円(月5.3 万円)**でこのパッケージを楽しめるなら、コストパフォーマンスは決して悪くないと言えます。
ここを押さえれば維持費はまだ下がる!
まとめ
中古トゥーランを5年間所有した場合のトータルコストは約320 万円弱。
初期投資+維持費をすべて月割りすると約5 万円台となり、同クラス国産ハイブリッドミニバン+オプションとおおむね横並びです。
トゥーランは「走りの楽しさと実用性を両立したい大人の男心」を満たしつつ、税金・燃料のランニングコストを抑えられる希少な選択肢。
最後に念押しですが、ここで示した数値はあくまでも“平均的な例”。
実際は住んでいる地域のガソリン単価、任意保険の条件、駐車場代、走行距離、そして何よりクルマ固有のコンディションで大きく変わります。
購入前に専門店での事前点検や見積もりを取り、『もし○○が壊れたらいくら?』を必ず確認しておきましょう。
購入の際は
を忘れずに。愛車選びが“コストも走りも満足”なものになりますように!長く愛せるパートナーを賢く手に入れましょう。
――これであなたも、維持費に振り回されないスマートなVWライフを!
Volkswagenの修理・メンテナンスを普通の車屋さんが受けてくれない理由は?
専用の診断機が必要だから

Volkswagenなどの輸入車は、OBD(車載診断機)につないでコンピューターの状態をチェックするんですが、これが専用の診断機(VCDSやODISなど)じゃないとしっかり見られないんです。
国産車用の汎用診断機では対応できない項目も多く、「とりあえずチェックランプ消す」くらいはできても、根本的なトラブルの原因追及が難しい…。
➡ 普通の車屋さんでは診断機の導入コストが高い(数十万~百万円超え!)ので、VWを扱っていないお店も多いです。
特殊な整備ノウハウが必要だから

Volkswagenは設計が国産車とちょっと違います。
- エンジンの配置や補器類の取り回し
- DSG(デュアルクラッチトランスミッション)
- 欧州車特有の足回り設計
これらが、国産車の整備感覚と違う部分が多いんですよね。
たとえば、VW特有のDSGミッションのオイル交換とかは、専用の知識と技術がないと逆に壊してしまうリスクも…。
➡ 慣れてない車屋さんだと、手を出すのが怖いというのが正直なところ。
パーツ供給ルートが限られるから

国産車はディーラー系や部品商が豊富にありますが、VWなどの輸入車はパーツ供給ルートが限られることも。
- 純正部品はディーラー経由じゃないと手に入りにくい
- 社外部品も、VW専用パーツの取り扱いがある業者でないと難しい
➡ 普通の車屋さんでは部品が取り寄せできない・納期が読めないことが多いんです。
トラブルが起きやすい箇所が独特

VWは例えば…
こういった欧州車特有のウィークポイントがあります。
これは、国産車専門の工場だと「そもそも経験が少なくてわからない」というパターン。
➡ 慣れているVW専門店なら「この型式だとそろそろこの部品が怪しいな」という予測ができるけど、普通の車屋さんだとそこが難しい。
VWは専門店が安心

画像引用元:VW・Audi専門店ナイルプラス
VWオーナーさんはVolkswagen専門店や輸入車に強いショップを選ぶのが安心。
整備士さんもVWに慣れているので、トラブルの早期発見や的確な修理が期待できますよ!
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