7速乾式DSGメカトロ解説:メカトロニクスの構造とリコール対応

こんにちは、Volkswagenユーザーの皆さん!今回は、7速乾式DSG(デュアルクラッチトランスミッション)のメカトロニクス(メカトロ)について詳しく解説します。これまでクラッチ交換やシフトフォークの修理などの動画を公開してきましたが、今回はメカトロに焦点を当てて、その構造やリコールの内容についてお伝えします。


メカトロとは何か?

メカトロはシフトチェンジとクラッチ操作を自動で行う重要な部品です。DSGは耐久性に課題があり、その一因としてメカトロの故障が挙げられます。実際にリコールも行われており、その内容について詳しく解説します。


メカトロのリコール手順

リコールで行われる作業は、ミッションとメカトロを分離することから始まります。以下に具体的な手順を紹介します。

  1. クラッチレバーの位置調整:
  • メカトロを外す前にクラッチレバーをミッション側に移動させる必要があります。専用の工具を使用してクラッチレバーを正しい位置に動かします。
  1. オイルパンの取り外し:
  • メカトロオイルを抜いてからオイルパンを外します。これにより、内部のアキュームレーターにアクセスできるようになります。
  1. アキュームレーターの取り外し:
  • 高圧のため、取り外しには注意が必要です。アキュームレーターはメカトロオイルの圧力を利用して動作します。
  1. オイルポンプの取り外し:
  • モーターとオイルポンプを分離します。これらはメカトロオイルを循環させる重要な部品です。
  1. 基板の取り外し:
  • 基板はメカトロの心臓部であり、これが故障するとDSG全体の機能に影響を与えます。特にゴルフ7以降のモデルでは基板交換が必要です。
  1. クラッチレバーの取り外し:
  • K1およびK2のクラッチレバーを外します。これにより、クラッチ操作が解除され、メカトロの取り外しが容易になります。
  1. ケースの取り外し:
  • 最後にメカトロのケースを取り外します。リコールではケースが割れる問題があり、材質や厚みを変更して耐久性を向上させています。

メカトロの構造と機能

メカトロの内部には、油圧システム、アキュームレーター、オイルポンプ、ソレノイド、基板などが含まれています。これらの部品が連携して動作し、シフトチェンジとクラッチ操作を実現します。

  • アキュームレーター:
  • 油圧を利用して圧力を生み出し、その圧力でソレノイドを制御します。
  • オイルポンプ:
  • モーターで駆動し、メカトロオイルを循環させます。
  • ソレノイド:
  • 油圧の切り替えを行い、シフトチェンジの指示を出します。
  • 基板:
  • システム全体を制御するコンピュータで、特にゴルフ7以降ではイモビライザーが組み込まれています。

リコールで行われるプログラム変更

リコールではハードウェアの交換だけでなく、プログラムの変更も行われます。具体的には、メカトロの動作圧力を調整することで故障を防ぐ対策が取られています。

  • 圧力調整とその影響:
  • 圧力調整により、メカトロ内部の部品にかかる負荷を減らすことができます。ただし、圧力を下げすぎるとシフトチェンジの速度やクラッチの動作に支障をきたすことがあります。
  • プログラム変更の具体例:
  • メカトロの制御プログラムが更新され、特定の動作条件下での圧力設定やソレノイドの動作タイミングが最適化されます。

メカトロのトラブルシューティング

メカトロに関連する問題が発生した場合、以下の手順でトラブルシューティングを行うことが推奨されます。

  1. 診断ツールの使用:
  • エラーメッセージや異常コードを確認します。
  1. オイルのチェック:
  • メカトロオイルの状態を確認します。
  1. ソレノイドの点検:
  • ソレノイドの動作確認を行います。
  1. 基板の検査:
  • 基板に物理的な損傷がないか確認します。

まとめ

7速乾式DSGのメカトロについて詳しく解説しました。メカトロの構造やリコールの内容を理解することで、DSGの問題点とその対策を知ることができます。メカトロは非常に重要な部品であり、その正常な動作が車両のパフォーマンスに直結します。リコール対応や適切なメンテナンスを行うことで、DSGの信頼性を高めることが可能です。

この記事が役立ったと感じた方は、ぜひシェアしてください。具体的なメカトロの修理や交換が必要な場合は、専門の整備工場やディーラーに相談することをお勧めします。

VW・アウディ専門店ナイルプラス
VW Audi専門店のブログ
【7速乾式dsg】メカトロリコールの内容と仕組みをvw/

コメント